10月3日の夕方、金星が蠍座で逆行に入ります。順行に戻るのは11月14日の朝。ひと月半ほど、金星は空を後戻りしていきます。途中の10月25日には、逆行したまま天秤座へ帰っていく。今日は、この長い期間をどう過ごすかを書きます。
金星が担当しているのは、関係とお金と価値
金星は、人との関係、お金、それから自分が何を好きだと思うかに結びつく星です。誰と一緒にいたいか、何にお金を払うか、どんなものをいいと感じるか。暮らしの中でいちばん手ざわりのある領域を持っています。
逆行のあいだ、この領域で向いているのは、新しく始めることより、すでにあるものをもう一度見ることです。付き合いの長い相手との距離。続けたままの月々の契約。去年決めた自分の値段。決めたときは納得していたはずのものに、もう一度目が向く。金星逆行が身構えて語られがちなのは、この「置いてあったものが視界に入る」感じのせいだと思います。
「逆行だから別れる」「逆行だから散財する」という予報として読むと、当たり外れの話で終わってしまいます。起きるか起きないかではなく、自分が何を大事にしてきたのかが見えやすい時期。そう置いたほうが、6週間のあとに手元に残るものが多くなります。
そもそも逆行とは何が起きている状態なのか、という基本のところは、6月に書いた水星逆行の記事にまとめてあります。見かけの動きの話なので、金星でも仕組みは同じです。
前半は蠍座、後半は天秤座
この逆行は、蠍座8.5度から始まります。蠍座は、深いところまで踏み込む領域です。一対一の関係の濃さ、誰かと共有しているお金、言葉にしていない約束ごと。最初の3週間ほどは、そのあたりに視線が向きます。表面のやりとりでは済まない話が、思い出したように浮かんでくることがあります。
10月25日の夕方、金星は逆行したまま天秤座へ戻ります。天秤座は釣り合いと関係の星座。9月の天秤座シーズンに考えていたことがあれば、それをもう一度拾い直す時期になります。あのとき保留にした相談、途中でやめた調整、言いかけてやめた一言。順行に戻るのは天秤座22.9度なので、後半の3週間は天秤座の中を行ったり来たりして過ごすことになります。
同じ6週間でも、前半と後半で手ざわりが変わる。ここを分けて眺めておくと、10月末に空気が切り替わったときに戸惑いません。
この期間に向いている動き
「再」のつくことが、この時期とは呼吸が合います。読み返す、話し直す、値段を見直す、契約を確認する。逆行を理由に予定を全部止める必要はありませんが、決める前に一拍置く癖をつけておくと、後から直す手間が減ります。
もう一つ、金星逆行は関係を清算する期間ではありません。清算したくなるのは、たいてい感情が高ぶっているときです。動いた感情をそのまま結論にせず、いったん書き留めておいて、11月14日以降にもう一度読み返す。それくらいの距離の取り方が、この星には合っていると思います。
なお、逆行するのは水星と金星だけではありません。惑星ごとに逆行の意味がどう違うかは、10月26日に別の記事としてまとめます。
自分のチャートのどこで起きるか
蠍座8.5度から天秤座22.9度まで。この範囲が自分の出生図のどこにあたるかで、今回の逆行がどの領域の話になるかが変わります。星道で一重円を出して、蠍座と天秤座がどのハウスにかかっているかを見てみてください。仕事の場所なのか、お金の場所なのか、誰かと一対一で向き合う場所なのか。今の空を重ねたければ三重円にすると、金星が今どこまで戻ってきているかも一緒に見えます。